小児科のあれこれ

地方の小児科で感じたこと、勉強したこと、本やグッズのレビューなど

病気のこと

肥厚性幽門狭窄症

一般小児科だと年に1人診るか診ないかという印象なのですが、最近うちで1週間で2例見つかったのでこの話題を。小児栄養消化器肝臓病学と小児外科の雑誌を主に参考としています。 肥厚性幽門狭窄症とは? 肥厚性幽門狭窄症の原因 肥厚性幽門狭窄症の症状 肥厚…

他の症状のない発熱

発熱で他の症状が無いときに小児科医が気にするのはまずなんといっても尿路感染症のなかの急性腎盂腎炎です。次に急性中耳炎でしょうか。それぞれ疑って検査をしないと診断できません。小児科で熱がある子にやたらと尿検査をするのは腎盂腎炎を見逃さないた…

乳児の空気嚥下

空気を飲むのは意外と問題 空気を飲むとまず胃にたまります。するとまずは苦しくなったり胃が痛くなったり吐き気がしたり食欲がなくなったりします。炭酸飲料を飲みすぎたときなんかと同じような感じと言えばわかるでしょうか? 胃の次は小腸、大腸と進んで…

ロタウイルス(ワクチン定期接種化記念)

祝ロタウイルスワクチン定期接種化 ロタウイルスワクチンが定期接種になりました。流行力が強く、胃腸炎で入院する小児はロタが多いので利益を得る人はそれなりにいると思います。 ただ、ロタワクチンが開始して10年未満なのに昔から問題となっている、おた…

川崎病④-再発

twitterで、子供さんが川崎病を3回繰り返した方のツイートがあったので、川崎病の再発について調べてみました。 川崎病の再発率 川崎病で再発の割合は3%程度とされています。2015~2016年の2年間の患者を対象に実施した第24回川崎病全国調査の結果では4.2%だ…

川崎病③治療不応について

詳しい原因は不明ですが、川崎病は体質があって、それをなんかが刺激して発症すると考えられています。講演などを聞く限りでは、体質的なものは自然免疫系に関与する自己免疫的な病気の素因が考えられているようです。また、地域的に流行する傾向があること…

川崎病②-治療

川崎病の治療のスタンダード 原因は今一つよくわかっていない(感染症+免疫異常?)という川崎病ですが、最初の治療は確立されています。 ガンマグロブリン大量とアスピリンの併用というものです。ガンマグロブリンというのはいわゆる抗体を集めたもので、…

川崎病

川崎病は年間15000人以上と意外と多い病気です。全身の血管に炎症を起こし、さまざまな症状を起こします。小児科医としてはありふれてはいますが、色々と悩むことも多い病気です。現時点で④まであります。 川崎病は診断に悩む 川崎病を診断することの重要性 …

「風邪」

「風邪ですね」 病院でよく言われる言葉だと思います。 でも、これって難しいのです。 googleで"国語辞典"を検索してトップに来たgoo国語辞典では 4 (多く「風邪」と書く)鼻・のど・気管などのカタル性炎症。くしゃみ・鼻水・鼻詰まり・のどの痛み・咳 (…

RSウイルス感染症

RSウイルスが流行 この地域でRSウイルス感染症が流行しています。 7月にちょっといたもののお盆前には全くだったので、お盆期間に輸入されて流行したものと思われます。 かつては秋から冬という病気でしたが、今はわりと夏から出始めます。温暖化などのため…