小児科のあれこれ

地方の小児科で感じたこと、勉強したこと、本やグッズのレビューなど

救急病院のレビューに思う

各病院にどういう医師がいるか、「~先生まだいるかな」などを調べるときにグーグルで病院名を検索するとグーグルマップのクチコミの星が目に付きます。そして、クチコミを読んでしまうことも結構あります(笑) 例えば、これは小児科の間では救急外来を中心と…

川崎病④-再発

twitterで、子供さんが川崎病を3回繰り返した方のツイートがあったので、川崎病の再発について調べてみました。 川崎病の再発率 川崎病で再発の割合は3%程度とされています。2015~2016年の2年間の患者を対象に実施した第24回川崎病全国調査の結果では4.2%だ…

川崎病③治療不応について

詳しい原因は不明ですが、川崎病は体質があって、それをなんかが刺激して発症すると考えられています。講演などを聞く限りでは、体質的なものは自然免疫系に関与する自己免疫的な病気の素因が考えられているようです。また、地域的に流行する傾向があること…

川崎病②-治療

川崎病の治療のスタンダード 原因は今一つよくわかっていない(感染症+免疫異常?)という川崎病ですが、最初の治療は確立されています。 ガンマグロブリン大量とアスピリンの併用というものです。ガンマグロブリンというのはいわゆる抗体を集めたもので、…

川崎病

川崎病は年間15000人以上と意外と多い病気です。全身の血管に炎症を起こし、さまざまな症状を起こします。小児科医としてはありふれてはいますが、色々と悩むことも多い病気です。現時点で④まであります。 川崎病は診断に悩む 川崎病を診断することの重要性 …

エビデンスは難しい…

臨床上の根拠 evidence based medicineが強調されるようになって久しいですが、臨床の現場ではエビデンスになっていない共通認識というのも結構あります。 小児の場合、それぞれの疾患で症例数を集めにくいこと、年齢や体格による影響を受けやすいことからち…

軟骨無形成症、ピエール・ロバン:看護師国家試験問題

病院勤務していると看護学生さんの授業を担当することがあります。 病院に付属していることもあるが、単に近いからと契約していることもある。 大学病院時代は肩書のある先生が担当していたが、歯学部の講義にも行っていて(もちろん医学部の講義もある)大…

小児感染症のトリセツ

最初のバージョンである、『小児感染症と抗菌薬のトリセツ』は当時長野県立こども病院の笠井先生(現在は兵庫県立こども病院)によって書かれた本でした。当時、僕は小児科の後期研修医で、内容は詳しくはないもののシンプルにまとまっていて使いやすかった…

「風邪」

「風邪ですね」 病院でよく言われる言葉だと思います。 でも、これって難しいのです。 googleで"国語辞典"を検索してトップに来たgoo国語辞典では 4 (多く「風邪」と書く)鼻・のど・気管などのカタル性炎症。くしゃみ・鼻水・鼻詰まり・のどの痛み・咳 (…

RSウイルス感染症

RSウイルスが流行 この地域でRSウイルス感染症が流行しています。 7月にちょっといたもののお盆前には全くだったので、お盆期間に輸入されて流行したものと思われます。 かつては秋から冬という病気でしたが、今はわりと夏から出始めます。温暖化などのため…